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SNT 金属酸化物を“数珠つなぎ” ナノ複合繊維とシート量産の試作機

2007年05月10日

 

慶応大学発ベンチャーのSNT(社長・白鳥世明・理工学部助教授、千葉県市川市)は、科学技術振興機構(JST)の独創モデル化事業において、ナノ(1ナノは10億分の1)メートルサイズの金属酸化物粒子が数珠状につながった複合繊維と、その不織布シートを量産する試作機「ナノファイバー・メーカー」を完成させた。毎分1平方メートル規模での生産が可能で、空気清浄機のフィルターや車の内装材などへの利用が期待できる。今後3年間に「シート製造装置(1台あたり約5000万円)で10台程度」(白鳥社長)の販売を見込む。
 
 紫外線を当てると消臭や抗菌など「光触媒」機能を発揮する酸化チタンをはじめ、ナノ単位の金属酸化物粒子が持つ機能の産業への応用が進んでいる。通常はナノ粒子を物質表面に塗布して利用するため、剥離(はくり)した粒子が皮膚から血管内に入ったり、呼吸などで体内に取り込まれたりすることも考えられるが、人体への影響は分かっていない。
 
 新技術は、金属酸化物粒子と高分子の混合液を空気中にスプレーして繊維化するもので、「電界紡ぎ(エレクトロスピニング)」と呼ばれる。条件を調整することで、真珠のネックレスや数珠のように、金属酸化物粒子が高分子によって連続的につながった繊維を作ることに成功した。また、巻き取り装置を使ってシート状にも加工できる。
 
 繊維に金属酸化物粒子が複合しているためシートなどで使っても剥離が少なく、またバインダーなどに埋もれてしまう塗布方式と比べ金属酸化物粒子の表面が大きく露出するため触媒効果を上げられる。
 
 酸化チタンの光触媒は空気清浄機のフィルターや衣類、家具などに利用されている。シリコン系、亜鉛系、マンガン系など数多くの金属酸化物触媒が開発されており、これらを実用化する際に広く使えそうだ。また、金属酸化物以外にも、「電界紡ぎ」が機能性粒子の露出面積を増やし、飛散を減らすことに役立つとみられ、SNTでは他の用途にも拡大していきたい考えだ。

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