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光触媒で空気清浄 釜石の2社が開発
2007年12月25日
釜石市甲子町の釜石電機製作所(佐藤一彦社長)は独自の溶射技術による光触媒被覆材を使い、同市新町のイノウエ(井上旭社長)と共同で空気清浄装置を開発した。においのもとになる有機化合物を分解する酸化チタンを、溶剤を使わず基材に被覆。空気に触れる面積が増え、分解反応を向上させた。吸排気システムと組み合わせ、効果を高めた。住宅用と畜舎用の2種類を初めて商品化。今後は医療機関や福祉施設など用途の拡大も期待される。
溶射技術は、釜石電機製作所と盛岡市の県工業技術センター(斎藤紘一理事長)が共同開発。超音速溶射装置を使い、酸化チタン粉末の大きさなど条件を変え、約1年半かけて最も効果の高い方法を確立した。4月に特許を取得した。
従来の光触媒製品は塗料などの溶剤と混ぜて使用し、酸化チタンが溶剤に埋もれる部分が多かった。溶剤が不要な溶射では、酸化チタンの露出が増える。
事業化に向けて、両社は2006年1月に事業化研究会を組織。釜石・大槌地域産業育成センターや釜石地方振興局などの支援を受けて空気清浄装置を開発した。装置は光触媒被覆材と紫外線照射装置を組み込んだ空気清浄部と、そこに臭気を送り込み、清浄化された空気を排出する吸排気システムで構成。空気清浄部は、小さな穴を開けたステンレス材に酸化チタンを被覆し、効果が最大となるよう一定の角度で並べた。
これまで遠野市の牛舎や花巻市の豚舎、二戸市の鶏舎のほか、釜石市内の住宅で試験を重ねてきた。05年12月に子牛育成用の牛舎に導入した遠野市土淵町の酪農業、菊池加正(かずまさ)さん(58)は「アンモニア臭で涙が出たり、せき込んだりして餌の食いが悪かった。導入後は症状が改善し体も大きくなるなど飼料効率が良くなった」と臭気低下による効果を実感する。
畜舎用装置は釜石電機製作所が年明けから販売。価格は配管部分により変わるが、50坪(約165平方メートル)向けで550万円(工事費別)前後となる。リースも可能という。住宅用は天井埋め込み型。イノウエが11月に発売し、遠野市や釜石市の住宅などに10台販売した。希望小売価格は工事費込みで27万円(税別)。
釜石電機製作所の佐藤社長は「地域特性に合った商品を開発しようと畜産向けを考えた。最も厳しい条件で効果を実証できたので、今後は医療機関や福祉施設向けに応用していきたい」と地元の技術にこだわる。
問い合わせは釜石電機製作所(0193・21・1751)、イノウエ(0193・23・6414)へ。
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